気まぐれ日記 02年1月

01年12月の分はここ


1月1日(火)「年が明けても杉本先生・・・の風さん」
 ホームページの大幅模様替えに挑んだ昨夜だった・・・が、中途で挫折。それでも、入浴が最後になり、午前3時にフラフラになりながら就寝した。
 生きていく上でやることが多すぎる。昨日は、小5の次女に年間の本代を集計させた。つまり、確定申告の準備である。1年間こまめにレシートをためたので、その膨大な紙切れを集計させた。アルバイト料は100円である。・・・で、結果は、意外と少なかった。献本のために出版社から購入した本代がかなりの額あるので、それ(費目は交際費か宣伝費となるだろう)を合わせて、ようやく30万円を超える。一番期待していた本代だったので、少し失望した。
 目覚めて、あらためて「明けましておめでとうございます」と。近くの杉本美術館は恒例の元日開館である。しかも、今年は元日が火曜日。毎週火曜日は杉本先生が入館者と会われる日だ。もしや、と思って確認してみると、今日も先生がみえる、と言う。行かねば・・・。
 近くの神社に初詣でし、昼食をすませてから、美術館に出かけた。学芸員の鈴木さんが入り口で待っていてくれたが、ちゃんと入館料を払い、ワイフと二人で談話室へ向かった。
 午後の日がたっぷりと入る部屋で、先生は大勢の方たちに囲まれていた。お嬢様の清子さんも一緒だった。先日のお礼を述べている間に、清子さんが副館長さんや区長さん、弟さんを次々に紹介してくださった。私は、昨日から準備していた先生の入った写真の額や手紙をお渡しし、さらに表紙カバーを下地にした特大パネルを見ていただいた。先生がワイフに「家ではご主人を何と呼んでいるの?」と質問したのには驚いた。「風さんかい?」「いいえ・・・」難問にワイフは窮してしまった。先生の興味は意外なところから発するようだ。勉強になる。

1月4日(金)ヒトの習性というヤツは・・・の風さん
 年が明けても部屋の整理が続いている。
 そんな中、今日はワイフと映画を観に行った。お目当ては「スパイ・ゲーム」。昨夜、インターネットで下調べをしてみると、トム・クルーズの「バニラ・スカイ」の評価が低く、観客の感想を読んでも「何が何だか分からなかった」とか「単に噂の女優とイチャイチャしたかっただけではなかろうか」なんて書いてあったので、文句なしに「スパイ・ゲーム」を観ることに決定した。どちらも好きな俳優、ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットの共演なので、それだけでも観る価値がある(私にとって)。ただ、トム・クルーズは気にはなっていた。
 感想は、ズバリ、大収穫! 面白かった、というより、参考になったのである。今年前半に、昨年刊行できなかった小説を刊行させる覚悟なのだが、その構成を昨夜ほぼ決めた。そしたら、その構成に見事に役立つ要素が続々と出てきた。読者がワクワクする小説にするためには、こうしなければならない、というヒントがたくさん得られたのである。その詳細は、ここでは書かないことにする。予定通りに次作が完成したら、種明かししたい。どうかそれまで待っていて欲しい(と言いながら、おいらが忘れてしまったりして・・・)。
 映画鑑賞後、自分の靴を買いに行った。公私どちらにも使えるウォーキング・シューズが狙いである。あれこれ眺めながら、これだな、と思った時点で「これ履いてみたいのですが」と店員に断ったら、「今履いている靴と色違いですね」という返事。「え゛? うっそー」思わず風さんは叫んだ。この靴は、3年か4年前に、福島県郡山駅前の西武百貨店(今はない)で購入したものである。形は不細工だが、丈夫で履き心地は良い。並べてみたら、色が違う以外は寸分違わぬ。「こういうタイプの靴は定番になって、これでないと履かないという人が多く、製造中止はもちろんデザイン変更もできないのです」そういった玄人好みの靴を選ぶ自分を誇りに思いたい気持ちもないことはないが、今まさに履いている靴と色しか違わない靴を選んで気付かない自分が恐ろしい。単にボケた、というよりヒトの好みとか習性というのは、変えたくても容易に変えられないのか、と嘆息した。しばしば鳴海風として上京する自分だが、知人の少ない土地に行っても、普段の自分と同じ行動をしているのかもしれない。飲み屋へ行って、可愛い姑娘をくどいているつもりでも、知る人が見れば、「なんだ、おんなじタイプの女ばかりに声をかけている」と馬鹿にされるのかもしれない。(結局、同じメーカーMの異なったデザインのものにした)
 今日は電車に乗っている時間があったので、楠木誠一郎さんからもらった『坊っちゃんは名探偵』(講談社青い鳥文庫)を読了した。少年時代の夏目漱石が主人公で、映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と江戸川乱歩の「少年探偵団」が混じったような作品である。面白いし、ためになる。すべての漢字にルビがついているので、小学生向きかなと思われるが、明治時代の勉強みたいな部分が多く、中学生向きかな、とも思ってしまう。実によくできた作品だけに、読者ターゲットが限定されているような印象でもったいない。ルビを減らして中高生向きにするか、明治時代のお勉強を減らして小学生向きにするか、どちらかにした方が売れると思う。また、映像化に向いた内容なので、ぜひテレビ・ドラマにしてほしい。

1月5日(土)「貴方もまだチャンスある?・・・の風さん」
 昨日の朝刊に、「エリック・クラプトン(56)が再婚」という記事が載っていた。相手は25歳とかで既にベビーがいるという。すぐワイフに報告すると、「貴方もまだチャンスあるかもよ」と思わせぶりな返事が。「本当かい?」と馬鹿な亭主は一瞬鼻の下を伸ばしたが、エリック・クラプトンまでたどり着く道のりを冷静に考えてみれば、小説家の想像力をもってしても、こりゃ大変だ。すべての基本は体力にあるだろう、と1ヶ月半ぶりにトレーニングに行ってきた。正月太りを心配していたが、体重は1ヶ月半前と変わっていない。ストレッチにたっぷり時間をかけてから、ラボード10分、腹筋、背筋、ラットプルダウン、レッグプレスとこなして、最後に電気椅子・・・じゃなかった電動マッサージ椅子に10分横たわって終了。体脂肪率は19.0%だった。ホッとした。これならエリック・クラプトンの真似ができるか(馬鹿か俺は)。
 今日は親友とイタリア料理のレストランでランチを食べたことは記録しておこう。

1月6日(日)「本の話・・・の風さん」
 昨夜、初めて BS−2「週刊ブックレビュー」を観た。若い人向きのバラエティっぽい内容かと想像していたが、生真面目な番組だった。司会の児玉清がエフのはさまった本を片手に、メモをとりながらゲスト評者と会話している様子に胸を打たれた。お薦めの1冊は約5分ほどだが、『和算忠臣蔵』の場合、どういう切り口で展開されるのか、全く予想がつかなかった。少なくとも本の中身をただ紹介するだけではない。評者や司会者が気になった点を中心に話題は広がって行くようだった。
 番組の終わりに「来週のお薦め本はこれです」と言って、「鳴海風著『和算忠臣蔵』」と現物と一緒に紹介されたので、間違いなく来週(12日夜10時15分〜)登場である! 神田紅さん。よろしくお願いしま〜す。
 その後で、読みかけていた鈴木輝一郎著『死して残せよ虎の皮』(徳間書店)をようやく読了した。浅井長政の生涯を、織田信長との交情、愛憎をからめながら、信長の生き方と対比させて描いた力作である。私の視点では、主人公の浅井長政は作者の人生観が色濃く投影されていて、その子万福丸に対する接し方など、特に輝一郎さんの考え方だな、と納得してしまう。作者の思い入れの強い作品ではなかろうか。そういった作品をまだ書いていない私には、とても羨ましいことだ。
 今朝も、読みかけの本、川澄哲夫編著『ジョン万次郎とその時代』(廣済堂)をようやく読了した。これは次作のための参考文献である。
 私は、気まぐれ日記の中で、読書履歴をあまり書かない。なぜかと言うと、読書量の少なさがばれてしまうことと、ネタが割れてしまうからである。恵贈された本は例外で、できるだけ内容を紹介していこうと思う。
 そう言えば、鈴木輝一郎著『ほどよく長生き 死ぬまで元気 遺産そこそこ 遺書はしっかり』(小学館)、先月、母が自宅へ来た時「いい本がある」と言って福島まで奪って行ったので、やむを得ずbk−1で追加発注したのだが、昨日届いた。これから読まねばならぬ。

1月8日(火)「作家のグッズがまた一つ・・・の風さん」
 ひたすら身辺整理に明け暮れた冬期休暇が終わり、会社生活が始まった。めげずに小説家としての自覚も持ちながら生きていこう。
 何と言っても今度の土曜日夜10時15分からのNHK BS−2「週刊ブックレビュー」がうれしいので、知人に宣伝しまくっている。小さな紙切れに、放送日時とchおよび番組名を書いて渡しまくった。まだ『和算忠臣蔵』を買っていない人も、番組を見たら買う気になるかもしれない・・・というのもあるが、やはり鳴海風のテレビ初登場だから、みんなに見てもらわねば、もったいない。
 そんな日、
篆刻(てんこく)を趣味にする会社の同僚が、出版を祝って篆刻の印鑑をプレゼントしてくれた。なにしろサインの下手な鳴海風なので、普段からサインの右下には友人が彫ってくれたオリジナル雅印を押してカッコつけている。今回さらに篆書の雅印まで手に入ったわけで、作家のグッズがまた一つ増えたわけである。うれしい。使い道をじっくり考えたい。う〜ん。楽しみじゃ。
 これが、プレゼントされた「風」の篆刻による印形(いんぎょう)

1月11日(金)「世の中甘くない・・・の風さん」
 やはり会社生活が始まると、なかなか執筆の時間はとれないものだ。そして、日がたつにつれて寝不足が蓄積されていく。「老化は目から」というのは正しくて、激務に耐えていると目も開けていられないほど疲れる。対策として、朝のトーストにはブルーベリー・ジャムを塗り、就寝前に某ビタミン剤を飲むことにした。はたして効果は現れるか。
 年明けに小学館に『和算忠臣蔵』の売れ行きを確認したところ、不調らしい。さまざまの努力を重ねてはいるが、知名度の点で、私はまだ無名作家の部類である。鈴木輝一郎さんの血の滲むような努力を思えば、これは当然で、とにかく作品を出し続けるしかない。
 私の作品はともかく、先日楠木誠一郎さんの『坊っちゃんは名探偵』を読んだ話を書いたが、うちでは続けて次女とワイフが読了した。父や夫の作品は読まないくせに、楠木さんの作品はちゃんと読んで「面白かった」などと笑顔で言う。冷たい家族だ。
 そう言えば、職場の某先輩が、『和算忠臣蔵』を買って読んでくれた後、「どうも作者の意図が分からない」と感想を述べるので、3種類の別の忠臣蔵をお貸しした。これは、小説家がいかに新味のある忠臣蔵を書くかで苦しんでいることを理解してもらうためだった。そしたら、今日、その中の1冊を読んで、「これは面白かった」などとニコニコ顔で言う。じゃ、私の『和算忠臣蔵』は面白くないのか、と突っ込みを入れたかったが、「そうだ」と答えられそうだったので、やめた。
 今日、昼食後のわずかの時間に、勤務先の近くの美術館を覗いてきた。陶芸をやっている会社の知人の作品が展示してあるからだ。作品はほとんどが大物で、よくこれだけのサイズを(割れたり、崩れたりさせずに)焼けるものだと感心した。そして、どの作品も実にいい色に焼き上がっている。大物ばかりなので、色々な物をたくさん作って、その中から良い物を選んで、というわけにはいかないはずだ。皆、相当の技量の持ち主なのだろう。
 知人の作品は「山・景色」という題で、上部に小さな噴出口みたいな口のある壷だった。全体は不均一な円筒形である。ところどころにヒダが張り出していて、斜めの模様と複雑な色合いが、不思議な山景色を作り出している。絵で言えば抽象画なのかもしれない。
 この昼休みの一瞬だけが充実していて、あとはつまらない会社生活だった。

1月12日(土)「鳴海風テレビ初登場・・・の風さん」
 今日も日中の気温が14度前後に上がり、何となく、良いことがありそうな、そんな気分だった。書きかけの次作のための助走を走り出してから、夕方トレーニングに出かけた。1週間ぶりなので、体はガチガチである。たっぷりと時間をかけてストレッチし、ラボード10分、腹筋、背筋、レッグプレス、ラットプルダウンとこなして帰宅した。ますます気分がスカッとした。
 夕食後、疲れが出たのでひと眠りし、目覚めてから2台のビデオの準備を開始した。
 そう。今夜が、待ちに待った鳴海風テレビ初登場の日。10時半から、NHK BS−2 「週刊ブックレビュー」第510号という全国ネットの番組があり、『和算忠臣蔵』が紹介される。その中の「おすすめの一冊」コーナーで、講談師 神田紅さんが紹介してくださるのだ。
 短い時間ではあったが、『和算忠臣蔵』のストーリーを余すところなく解説してくださった。これは、ひとえに神田さんの講談師としての語りの技量であろう。また、時代小説の書評家としての指摘も的確で、拙作の異色さオリジナリティを、和算だけでなく、上杉家の侍が主人公である点や暦にからんだ幕府と朝廷の暗闘ととらえてくださった。
(内容をご覧になりたい方は、ここをクリックしてください。直接入れます)
 さらに私が感心したのは、神田さんの前後左右への気配りというか、アンテナの鋭さである。「おすすめの一冊」コーナーでは2番目だったが、1番目の作品をひっかけて天文方の話題へつなげたり、後の「今週の一冊」コーナーでも、司会や左右のゲストにうまく話題を振りながら話を進行させて行くテクニックには(神田さんが司会役でないだけに)感動した。職業柄というのもあろうが、こういうことはその人の人柄というのが如実に出るもので、自分よりも周囲の人を大切にする徳が備わっているのだと思われる。いっぺんにファンになってしまった。なんとか時間の都合をつけて、生の高座を拝聴したいと思った。

1月13日(日)「船戸与一さんはすごいな・・・の風さん」
 昨夜の「週刊ブックレビュー」では、冒険作家の船戸与一さんがゲスト出演し、司会者のインタビューに答えていたが、発言の一言一句の重さに感銘を受けた。
 呼ばれて登場した時は、まるでホームレスのおっさんかとみまごうばかりの風体で、思わず顔をしかめてしまったが、質疑が進むにつれて、目が離せなくなった。
 なぜ地球の中の辺境を舞台に小説を書くのですか、という質問に対しては、「繁栄している土地には本当のことは発見できない。辺境の土地にこそすべての矛盾や歪が集中する。だから、辺境を舞台にするのだ」という回答だった。また、取材する点はルポルタージュと似ているのではないか、という質問に対しては、「ルポルタージュは、取材したものの中から取捨選択して構築する。小説は、取材したものをばらしてから構築する。ベクトルが全く違うのだ」という回答。船戸さんの小説は、どこまでが事実でどこまでがフィクションが分からない。むしろ未来については、見事に予想していると言えるのではないか、という指摘に対しても、「小説はフィクションだ。物語である。物語はストーリーだが、ストーリーとヒストリーは本来同じものだ」という恐ろしい回答。確かに、最初の質問、船戸さんは最初に構想が出来てから書き始めるのですか、に対して、「いいえ。着想があればそこから書き出し、どこへ行き着くのかはその時点では分からない。だから、途中で最初の構想と食い違うなんてことも起きない」と答えていたから、最初の着眼が正しければ、物語は必然的に未来に起こることまでたどり着いてしまうのだろう。
 終始、にこりともせず、淡々と話す姿には、俗人を超越した何かを感じた。ああ。鳴海風のなんと凡人俗人たることか!

1月14日(月)「巷は成人式らしい・・・の風さん」
 予想したとおり道路がすいていて、今朝はずいぶん早く会社に着いた。いつもそうだが、昼休みにでも時間を見つけ、家でできない仕事をしようと、カバンにはノートパソコンやら本やらたくさん詰め込んである。でも、全く手が付けられないまま帰宅することがほとんどだ。それが会社生活というものだ。
 はたして、朝から会議が連続し、途中に存在したわずかな隙間も、延びた会議で埋め尽くされ、あっという間に夕方になった。じゃあ、さっさと帰ろうかと思っても、そうは問屋が卸さない。トレイの上に何やら妖しげな茶封筒が。分厚くて、大きな封筒だ。差出人は・・・東海大学。(先週は東北大学の阿部総長からの手紙が載っていて、驚くやら恐縮するやら・・・)封を切ってみたら、どさどさっとレポートの束が出てきた。そう。そうなのである。昨年、私が講演した内容に対する学生のレポートなのである。すごい数だ。聴講した人数よりも多そうだ。ま、冗談はともかく、中をちらちら拾い読みしてみると、すごい真面目な文章が並んでいる。そ、それだけでなく、ほとんどメモする時間もなかったと思われるのに、プロジェクターで映し出された一瞬の映像から克明にメモをとったらしく、詳細な記述と誉め過ぎの感想が並んでいた。これは、もう感動もんである。あとで、しっかり拝読しよう。
 そんなこんなで、また帰宅が遅くなった。ところが、まっすぐ家には帰れない。なぜなら、帰りにドーナツを買う約束を家族としてしまったから。今日まで1個65円という種類があるからだ。ドーナツ屋へ直行し、「ココナツとオールドファッションを10個ずつください」と恥ずかしげもなく注文すると、既にオールドファッションは売り切れて1個もなかった。それで、やむを得ず別の種類をバラバラで10個、だから合計20個購入した。
 玄関で待ち構えていたワイフのドーナツを見ての第一声。「まあ〜。こっちがお詫びにドーナツ買わなければいけなかったのに・・・」そう。今朝も、私が家を出るとき、ワイフはまだ起きていなかったのだ。ここで寛大な態度を見せて、亭主の人格を強調した。ははは。
 さらに、お年玉付き年賀葉書の抽選結果。我が家は切手シートが9つ当選していたが、そのうちの5つが私宛ての年賀状だった。そこで、また、私は偉そうにそっくり返った。
 食後、書斎でメールチェックすると、神田紅さんから、ご丁寧な返信メールがあった。・・・ので、今日は、もう死んでもいい。

1月15日(火)「レポートを読破・・・の風さん」
 今月は2日も休むわけにいかないので、新鷹会の勉強会は欠席した。
 出勤してまともに仕事をすると、1日中会議に明け暮れてしまうので、午後の会議をひとつパスして、東海大学から届いたレポートを読んだ。100通ぐらいあった。どれもこれも必死にノートをとったらしい形跡があり、学生らの努力に頭が下がった。当日、私は様々な話題を機関銃のように連射したのだが、学生らはちゃんと話のポイントを押さえてくれていて、それがきちんとレポートに書かれてあった。「夢はかなう」「理系と文系の融合」「日本人の素晴らしさ」「2足のワラジの意義」などなど、多感な学生のアンテナにびんびんひっかかったようだ。生産システムの配布資料もしっかり学んであった。私の講演を聴いて、意識が変わったとか世界が広くなったとか、単純に驚いたとか面白かったとか書かれてあって、とてもうれしかった。
 なかなか鋭い指摘をしている文章には、黄色のマーカーで線を引いた。読んだ証拠に、すべてのレポートに風さんの印を押した。また、特に、思ったことを素直に書いてくれたレポートに「たいへんよくできました」のハンコを押した。
 今日、自分の通帳に残高記入をしてみたら、東海大学からの講演料がまだ振り込まれていなかった。そうか。このレポートのチェックまでがミッションだったのねん。

1月19日(土)「スロースターターの風さんの巻」
 昨年から良いことばかりが続いている気がする。年が明けてまだひと月も経過していないが、「鳴海風のテレビ初登場」を経験し、そこで『和算忠臣蔵』を紹介してくださった神田紅さんとは、今週3日連続メール交換することができた。来月ぐらいにはぜひお目にかかりたい(きっと会えるだろう)。
 やはり平日は無理が重なって疲労するので、昨夜は夕食後に居間でダウンした。午前零時を回ってから目覚め、それから今朝の5時に就寝するまで、雑用をこなしながら資料読みをした。次作は昨年中断していた作品で、膨大な資料を駆使して展開するものである。頭脳というかパソコンの中のデータベースがはちきれるほどにならないと、なかなか執筆は再開できない。年末年始で机の上を片付けて、現在関連資料だけを載せている。本だけで60冊以上。クリアファイルに整理したものが10冊以上。ずらっと並べてあるので、眺めているだけで壮観だが、すべて読破できているわけではない。
 今日は、昼近くに起きて、最近動作がおかしいデスクトップ・パソコンの調整をした。ハードディスクの中の不要なファイルを削除し、バックアップをとり、エラーチェックとデフラグを実行した。(ちと恥ずかしいので詳細スペックを教えられない。なぜなら、インターネットで使用しているデスクトップ・パソコンは、PC98である)
 夕方、体育館へトレーニングに出かけた。ストレッチ、ラボード、腹筋、背筋、ラットプルダウン、レッグプレスに、今日はショルダープレス、レッグカール、バーチカルローイング、レッグエクステンションもこなした。降圧剤も効いていて、運動後の血圧は101−65という過去最低値。体脂肪率は20%(肥満度−0.1%)だった。
 帰宅したら、若桜木虔(わかさきけん)さんからどさどさっと本が届いていた。

1月20日(日)「読むのが遅いぞ・・・の風さん」
 今朝4時まであるミステリーを読んでいたが読了できなかった。
 近々推理作家協会の新年会があり、鳴海風は初参加する予定である。目的はビンゴ・・・じゃなくって、多くの知り合いを作るためである。そのためには、気になる作家の作品を読んでおこうと殊勝にも考えたわけだ。で、今朝まで読みきれなかった作品はさきほど読了した。これでようやく2冊(ミステリー)である。新年会まで、あと2冊は読みたいが、今日の自分のペースを測ってみると、1時間に60ページだった。遅い。理由は、作家の習性として分析しながら読んでしまうからだろう。ま、それにしても遅い。しかし、読むことはとても大切で、じゃんじゃん読んでいないと老眼が進む。なんのこっちゃ。
 今日、100円ショップで、A3サイズのクリアファイル(8ポケット)を発見し購入した。どこまで品数が豊富になることか、予想がつかない。とにかく安くて助かる。
 昨日の当地の朝日新聞朝刊に、風さんの紹介記事が出た。私のプロフィールからこれまでの著作にいたるまですべて網羅されていて、完全保存版といった感じ。最近どんな執筆をこなしているか、さらにどんなメディアに風さんが出ているかは、トップページのINDEXの中の近況のアイコンをクリックしてもらうとよく分かります。昨日から充実させているので、一度見てください。

1月22日(火)「紀香さん美しい〜・・・の風さん」
 月刊「本の窓」2月号の書評コーナーで『和算忠臣蔵』が取り上げられた。かなりお褒めの言葉を頂戴することができ、気分が舞い上がり、その勢いで「和算忠臣蔵」をネット検索してみた。・・・すると、相変わらず、ほとんど「なし」。前作の『算聖伝』のときは、すごい勢いで引っかかったんだけどなあ。やはり大作、力作、意欲作でないと、なかなか取り上げてもらえないのかなあ。でも、このホームページのアクセス件数の増え方は、以前より確実に高くなっている。友人、知人らが義理で見る回数は減っているので、初めての方が増えているに違いない。次作も頑張ろう。
 帰宅して新聞を広げたら、日韓親善大使に選ばれた藤原紀香さんが、金大中大統領と会っている写真が目に飛び込んできた。白いスーツ姿で、髪はアップにしている。あまりの美しさにウットリ。書斎の机の前の壁には、でっかい藤原紀香カレンダー。ネットをやっているデスクトップパソコンの横には、井川遥カレンダー(この浮気者め)。
 新聞の横に時期遅れの年賀状が・・・。差出人は記憶にない名前。でも、住所が面白い。尾張国犬山藩御城下云々とある。文面は、『和算忠臣蔵』を注文したが、『円周率を計算した男』『算聖伝』の出版社が分からないので、売ってくれるか出版社を教えて欲しい、というもの。差出人の苗字で、ふと閃いた。「もしかすると、(上司が紹介した)某製作所の社長さんかもしれない!」今日も、職場の上司から「@@町長に話したら、しっかりメモしていたぞ」と言われたばかりだった。
 書斎へ駆け込み、パソコン内の住所録を調べてみたら、・・・その社長さんではなかった。

1月24日(木)「日本図書館協会選定図書・・・の風さん」
 帰宅したら、出版社からファックスが届いていた。『和算忠臣蔵』が日本図書館協会選定図書に選ばれたとのことである。よく知らないのだが、何となく名誉なことであり、これは喜ばなければならない、と感じた。さっそくインターネットで調べてみると、50名ほどの選定委員により厳正に選定されること、年間6万冊の新刊本の中から16%程度が選定されること、全国に国公立および学校の図書館が4000強存在することも分かった。しかし、年間1万冊ぐらいが選定されるわけで、まさかすべての図書館が選定図書を全数購入するとは思えない。それよりも『円周率を計算した男』や『算聖伝』はなぜ選定されなかったのだろうか。色々な疑問が湧いてくる。・・・しかし、もう一度冷静に考えてみると、とにかくこれは名誉なことに違いない。そう思った方が幸福感にひたれる。次作へのエネルギーにもなろうというものだ。めでたい、めでたい。
 懐かしい葉書も届いていた。朝日カルチャーセンターへ通っていた頃の知り合いからで、『和算忠臣蔵』にからんで、朝日新聞を見ました、BS−2の「週刊ブックレビュー」を見ました、という内容で、昔の仲間の活躍を喜んでくれているのだ。これは、とても嬉しい。どうやら、この人も依然として執筆を続けておられるようで、こちらも嬉しい。鈴木輝一郎さんは小説を書くことは「業(ごう)」みたいなものだ、と言っておられるが、確かにそうかもしれない。おっと。その輝一郎さんの
『ほどよく長生き 死ぬまで元気 遺産そこそこ 遺書はしっかり』も日本図書館協会選定図書に選ばれているそうである。めでたい。

1月25日(金)「**ぐらいでぬか喜びしてはいけないの巻」
 
最寄りの税務署から確定申告用紙が送られてきた。早くもそういうシーズンなのねん。
 昨日の日本図書館協会選定図書の件だが、某ルートで探ってみたところ、今ではほとんど権威も実益もない選定なのだそうである。こういうものは世の中にごろごろしているな。学校給食なんかもそのひとつだろう(すごい飛躍)。本来の主旨が有名無実化している。構造改革の対象だろう。しかし、口も筆も災いの元。生意気なことを書いていると、選定取り消しになってしまうかもしれぬ。くわばらくわばら(この表現も死語に近い)。

1月26日(土)「人間ドックで疲れた・・・の風さん」
 図書館ネタの続き。「図書館の学校」2002年1月号に図書館微分積分という記事があった。全国924町村に図書館があり、そのうち年間図書購入費が200万円以下が209館(23%)だそうだ。これだと2000円の本を1000冊購入したらおしまいである。日本図書館協会が年間1万冊も選定図書を決めても買えるわけがないのだ。
 購入して11年経過した石油ファンヒーターが、異常音を発するようになり、昨日修理してもらった。ファンモーターを始め着火部など中枢部品を交換したので、オーバーホールに近い。そうして修理してもらうと、やはり違う。いやに静かなのである。いかに今まで大きな音を聞きながら暖をとっていたか、ということだ。次は、外に置いてある50リットルのタンクと配管類だろう。やばくなったら、サイズアップと置き場所をもっと道路側に変更しようと思う。
 さて、私の体も「オーバーホール要」なのかもしれない。面倒臭くてしようがなかったが、諦めてH市医師会健康管理センターへ行ってきた。どうせジジババばかりが来ているだろうとせせら笑いながら入っていったら、あにはからんや、働き盛りの男女ばかりである。
 前もって準備をしっかりしたフリをしたので、受付も早かった。横の男性が「喀痰が出ませんでした」「じゃ、今日は検査はやめますか」などと問答していたが、おいらも喀痰など出なかったのだ。しかし、出したフリをして(ほとんど唾液だろう)すました顔をして受付を終えたのだ。その後で来た女性に受付嬢が、「では更衣室でブラジャーもストッキングも脱いで検査着に着替えて下さい」などと指示していた。おいおい。みんな聞こえているぜ。
 ここは、検査を受ける人と同じくらい多くの職員がいる。医師や技師、看護婦だけでなく、世話を焼いてくれる女性がわんさといる。まさに人海戦術。次から次へと次の検査へ導かれ、待ち時間が少ないのだ。腹部超音波の後、医師の診察を待っていたら、カルテが入れ替わって別の医師の順番になった。・・・と、さっきまで待っていた医師が部屋から出てきた。ぎょぎょ! 若くて美人のセンセだった(AVの世界か)。おいらが回された医師は、むさくるしいヤツだった。「右の腎臓にのう胞がありますね。石灰化の疑いがありますが、しばらく様子を見ましょうか」「はい。どうせいつ死んでもいい体ですから」
 憂鬱なバリウムによる胃の検査を終えて、すべてが終了した。あまりにも流れ作業でやられると、自分が人間というより無機的な物体として扱われている気がしてくる。
 最後に「食事券」を渡された。朝から飲まず食わずで来ているので、気を利かせているのだ。出口のところに喫茶部があり、うどんと飲み物がもらえた。しかし、バリウムを出すために下剤を飲んだので、夕食までにうどんはすべて体外へ排出された。
 結果は2月9日に分かる。

1月27日(日)『パラサイト・イヴ』に脱帽・・・の風さん」
 午後、トレーニングに行って来た。昨日は薬を飲まずにドックに行ったので、血圧測定では以前のような高い値を示し、やはり薬は飲まなければならないと自覚した。色々と感じることの多かったドックだったが、下剤の効果で腹の中がすっきりしたので、さぞかし体重が減っていると思ったのに、体育館ではいつも通りの数値を示した。よく言う宿便なるものは、私の体内にはほとんどないのかもしれない。今日は体脂肪率が19.8%(昨日は22%!)で、やはり体内に脂肪が蓄積されているようだ。やばい。
 今日、かなりの時間をかけて今年3冊目のミステリーを読み終えた。この本だけはしっかり書いておこう。瀬名秀明氏の『パラサイト・イヴ』である。この作者に対して、私はちょっとした感情を抱いている。理由や詳細は書かないが、敵愾心に近いものだ。しかし、この『パラサイト・イヴ』を読んで、唸ってしまった。1)描写が実にうまい。つまり文章が優れている。 2)小説の基本ができている。 以上の2点は、あっさりと書いたが、絶賛に値する。大変な実力を持っている。脅威だ。
 『パラサイト・イヴ』は日本ホラー小説大賞を受賞した作品であり、内容も特殊なだけに、一般読者はそのへんに惑わされるかもしれないが、なかなかどうして、作者の小説家としての実力をしっかり示している作品である。

1月29日(火)「大ボケ、小ボケ・・・の風さん」
 昨夜、自販機で小さな缶コーヒーを買おうとコインを入れてボタンを押したら、大きな壮健美茶が出てきた。よく見ると、コーヒーのところのボタンは「売り切れ」になっている。いったい風さんは、どこのボタンを押したのだろう。
 昨夜の小ボケは、今日の大ボケのプロローグだった。
 新幹線で上京するため、名古屋駅まで出たところで、切符を家に忘れてきたことに気が付いた。今朝は5時過ぎに起床し、7時20分発のひかりに乗る予定だったので、戻っている余裕はない(自宅まで1時間はかかる)。かつて似たような経験としては、ぷらっとこだまに乗ろうとしていて、目の前でドアが締まり切符がパーになった、というのがある。それ以来のヘマ・・・じゃなかった、今回はボケである。
 仕方なく、自販機でコーヒーじゃなく7時20分発のひかりの切符を購入した。操作は正しくできたらしく、間違って下りの切符が出てくるようなことはなかった。(自宅に忘れてきた切符は回数券から購入した指定券だったので、特急券はパーで、乗車券だけが救われた)
 やはり自分はボケている、とあらためて自覚しつつ自戒しつつ、出張先へ出向いた。
 出張は某所で開催されているあるセミナー
を聴講することだった。明日は私の部下がセミナーの講師として講演するので、その挨拶もある。それほど重要なセミナーだったが、またボケをやってしまった。某所は結婚式場から各種会議室まで備えた総合催事場といった施設である。ボケた風さんは、ビジネスマンがぞろぞろと進んでいく波に乗って、ある会議室の受付に自然に流れ込み、そこで参加証を提出して資料と交換し、会議室へ入り開講を待った。そこで、資料を開いて中を見てみると、どうもピンとこない。それもそのはず。自分が聴講するセミナーではないからだ。慌てて受け付けへ戻って、参加証を見てみると、私のだけが異質な書式であった。受け付け嬢も何の疑いもなく受け取ったのだ。
 それから、会館の係の人に尋ねてみると、私の行くべきセミナー会場は1階でなく、5階であることが判明した。(どうにか開講の10時には間に合った)
 風さんはひどく落ち込んでいた。

1月29日(火)「呪いのビンゴカード・・・の風さん」
 同じ日の日記が連続して出てきても深く追求しないこと。
 初めて日本推理作家協会の新年会(飯田橋のホテル・エドモント)に出席した。
 開場前に若桜木虔さんと待ち合わせていたので、どこにいるかな、とキョロキョロしていたら直木賞作家の藤田宜永氏を発見した。写真通りの人だった。それからラウンジのあたりをうろうろしていると「『和算忠臣蔵』は云々」という声が聞こえてきたので、「ああ、鳴海風も結構有名なんだ」とうぬぼれていた。ぐるぐる回っても、若桜木さんが見つからない。何度目かのときに、若桜木さんの相棒の瑞納美鳳(みずのみほ)さんを発見した。そしたら、若桜木さんはその前に座っていて、ちょうど私は背中ばかり見ていたのである。それで、分からなかったのだ。し、しかし、その位置は「『和算忠臣蔵』は云々」の声が聞こえてきたところで、私を待っている若桜木さんが『和算忠臣蔵』と言っても何の不思議もなかったわけだ。うぬぼれは、ぬか喜びと同じで、先日の日本図書館協会選定図書の一件で懲りているはずなのに、またやってしまった。恥ずかしい。これもボケか。
 その後、若桜木門下の美しい女性作家たち(どうやら若桜木さんは美人作家で周囲を固める意向のようだ)と名刺交換したり、F社の編集者の方を紹介していただいたりした後、会場へ向かった。受付で事務局の赤祖父嬢と会えた。
 日本インターネット歴史作家協会のオフ会としては、他に中里融司さん、藤水名子さん、えとう乱星さん、楠木誠一郎さん、今野敏さん、鈴木輝一郎さんと会えた。
 新鷹会の大先輩辻真先さんとも初めてお目にかかることが出来た。
 橋本純さん、荻野目悠樹さんとも親しく話ができたが、私と全くジャンルが異なる。
 パーティでは、ビンゴがあり、賞品もたくさんあったので、大いに期待していた。ボケ続きではあるが、こういうときは良いことがあるに決まっていると信じていた。ビンゴの進行役は、今野敏さんだった。案の定、私のカードはみるみるうちに穴があき、200人はいようかという会場の中で、「リーチ一番乗り」となった。司会の今野さんが「あ。早いですね。鳴海さんですね」と指摘されて、私はドキドキした。すると、背後から「最初にリーチになる人は絶対にビンゴにならない」という禍禍(まがまが)しい声が。振り返ると鈴木輝一郎さんだった。
 とうとう私はビンゴにならないまま終わった。
「年初に出だしがいいと、その後は減速することを暗示しているな。おごれる者久しからず、とも言うぞ」またまた、輝一郎さんの声だった。私は空しく穴のあいたビンゴカードを示して、「鈴木輝一郎の呪いでダメだった」と憎まれ口をたたいた。が、その声は、会場に空しく響いただけだった。
 ビンゴがはずれて傷心を抱いた風さんは、その後、銀座へ。
 お目当ては貴族である。今夜はジャズシンガーの天宅しのぶさんが唄う日だ。同じく金井いずみさんもいて、ひと晩で二人の歌が聴けるなんて超ラッキーだった。話も弾んで、傷心の風さんは大いに癒された。貴族はボケ老人にも優しい。

1月30日(水)「国会図書館の風さんの巻」
 国会図書館の最寄りの地下鉄の駅がどこだったか忘れてしまった。先月も来たのに・・・。
 霞ヶ関か国会議事堂前だろうと思い、国会議事堂前で降りたら、けっこう歩かなければならなかった(本当は永田町だった)。
 国会議事堂周辺は、やけに警戒が厳重だった。伏魔殿外務省での魑魅魍魎の対決に、小泉首相が実に不可解な決着をつけたので、こうなっているのだ。どうも日本の政治はいつまでたっても日本的過ぎる。どっちかが嘘をついていることは明白なのに、それを明らかにしようとしないのだから。もっとも雰囲気から言って、嘘をついているのは@@に間違いない。男らしくないぞ。
 100円ショップで購入した透明ケースにノートパソコンを入れて館内に入った。内部の見えない入れ物は持ち込み禁止なのである。計画通り、2冊の本の借り出し請求をし、その間に3階の喫茶室でモーニングを食べた。食後、1冊は複写申請をし、もう1冊は、パソコンにメモを取りながら読み始めた。この本は、今日中に読み終えるつもりだ。どうも風邪を引いたらしく鼻水が出る。やばい。
 昼前に図書館内から某女史に電話した。今度お会いしたいと願っている方だ。なかなか素晴らしい本を出された人で、しかも地球規模で活動しておられる。こういった超人的な人の話はぜひ聞きたいと思っている。まだお目にかかったこともないし、電話で話すのも初めてだが、どうやら会っていただけそうだ。ホッとした。
 昼食もはさんで読書を続けたが、結局半分しか読めなかった。昨夜、若桜木虔さんは、「だいたい1冊、30分で読んでしまいます。速読術の本も出していますから」と涼しい顔だった。しかし、舐めるように文章を読む私にはなかなかできない芸当だ。
 図書館を後にするころには、風邪気味だったのがすっかり直っていた。もしかして、俺って体力あるのかな。
 バスで新橋駅まで行き、そこからJRで東京、東京からのぞみで名古屋へ帰った。
 帰宅したら、先日bk−1で買った鈴木輝一郎著『ほどよく長生き死ぬまで元気遺産そこそこ遺書はしっかり』のおまけ「特製 軍手」が届いていた。輝一郎さんは、書店回りをするときにこの軍手を配るんだよね。うまいアイデアを思いつくよなあ。
 

 気まぐれ日記 02年2月へつづく