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気まぐれ日記 2000年11月
11月1日(水)「3日連続早起きでダウン寸前の風さん」
夕べもどっさり届いたメールに応対していて、就寝は結局1時半ころだった。それで、今朝は6時起きで、某所へコルサで直行の出張である。約70km近いドライブ。さすがに途中で眠くなり、車を停めて缶コーヒーを飲みながら5分間ほど目をつぶる。これでも上下の瞼の親近感は緩和された。し、しかし、このタイムロスのために、10分遅刻した。しまった、と思いつつ会議場へ飛び込むと、他にも遅刻者がいて、ようやく会議が始まるところであった。ホッと胸をなでおろした。
定時後は職場の飲み会があったので、ウーロン茶で参加した。若い仲間の交通事故や道交法違反の武勇伝を聞かされて、たっぷり冷や汗をかいた。やれやれ。
帰宅したら、大阪教育大学名誉教授の中村正弘先生から手紙が届いていた。『算聖伝』送付のお礼と同時に、内容についての感想が述べられていた。81歳で体調不良だった先生は、夢中で読んでくださったそうで、先生方のご研究を元にした小説の完成に対して、逆に感謝されてしまった。私は、読み始めたら一瞬も手をはなしたくなかったとおっしゃる先生のお姿に感動してしまった。(実際は、中村先生らのご研究があって、初めてこの小説ができたのである)
えとう 乱星さんから、ゴキブリねたの面白いメールが届いていたので、転載する。
風さま
熊本のゴキブリはカブトムシ並に大きく逞しいんですが、(マジよ)僕はこれにキンタマと顔を這われたことがあります。奴が近づいて来るのを見ながら恐怖で身動きが出来ず、そういう目にあったのですが、まあ譬えは悪いのですが悪代官の前の乙女と同じで、ゴキブリに睨まれたらまず身動きなんか出来ません。「いや、やめて、おねがい。来ないで、ああーっ」てな具合で・・・。
で、最近ゴキブリを飼うのが流行りとかで、万単位で取引されております。みかけは羽根のないダンゴムシの親方みたいなのとかね。無菌で育てているから清潔ですとか言っておりますが、問題はそういうところじゃねえだろう。中には形はゴキブリだけど色や羽根の透け具合はウスバカゲロウみたいなのも売られていて、わたくしかみさんに訊ねました「ねえ、このウスバゴキブリって儚いかな、それともしぶといかな?」かみさんの曰く。「スリッパで二・三発叩いてみればわかるんじゃない」おーい、万単位のゴキブリなんだぞー。
いずれこれらがペットとして飽きられ、捨てられ、繁殖して・・・。すげえ恐い考えになってしまった。
乱星
ザリガニとか亀とか色々な帰化動物が日本に繁殖しているけど、キ○タ○噛みゴキブリとかが大繁殖したら、和算を発達させた世界有数の優秀な大和民族が絶滅する危機に見舞われることになるな。
11月2日(木)「師匠のドイツだよりで〜す・・・の風さん」
帰宅が今日も10時半で(もちろん夜だよ)、これじゃ作家としての仕事が進みませんって。
さあて、今日は将来のゴルフの師匠から届いたドイツだよりを紹介しよう。師匠はある特殊任務を果たすためドイツへ飛んでいる。タイトルは、「Wie geht es 風さん?(風さん。ごきげんいかが?)」である。ちぇっ。ドイツ語をちょっと覚えたと思って、キザな野郎だぜ。じゃ、おいらもキザにワインカラーで染めてやらあ。
こんにちは ドイツ在住「ゴルフの師匠」です。
ドイツへ渡りあっという間の1ヶ月でした。毎日の語学学校通いと、生活基盤づくり(ビザ延長、電話、銀行、保険・・・)に追われておりまして、なかなかおメールを出せずにいて、すいませんでした。
今日は、ワインのお話を書きます。
こちらへ来た当初は、「とりあえずビール!」って感じで、バイツェンやらピルスやらを堪能した私ですが、最近はドイツワインのおいしさにはまり、週4〜5本のペースで胃袋に流し込んでいます。
えっ?のみすぎですって? これも異国の文化を学ぶという仕事の一環ですから。
私の住むFreiburg(フライブルク)は、ドイツ南西部ライン川沿いのバーデン地方に属しており、ワイン名産地の一つです。ワインは近所のスーパー(といっても100種類は置いてある!)などで買うのが一般的ですが、ワイン農家を訪ねて行き直接買うことも出来ます。好奇心あふれる私としてはどうしても行きたくなり、本屋で「ワイン農家ガイド」を購入、語学学校のクラスメートのTomomiさんを「ドイツ語の実践練習」と称して誘い、「ワイン狩り」へと繰り出しました。目標は10本購入。大好きなワインの試飲+アウトバーンのドライブ+独身女性とのデート=ドイツっていい国だ!(つい、話が反れてしまいました)
車で1時間ほど北上してとあるワイン産地へ到着。町を抜けると一面のブドウ畑が広がります。畑を縫う様にして走る道路脇には、いくつものワイン農家の看板が掲げられていました。その中の一軒を訪ねて入れてもらいました。試飲して買いたい旨を伝え、早速試飲開始。30種類以上あるオリジナルワインリストの中から白/赤、ブドウ種、味、グレードを参考にリクエストすると、グラスに注いでくれます。
「Danke
schon!」・・・グビグビ・・・「う、うまい・・・Das schumekt sehr
gut!」 (ウムラウト省略)
どれもおいしいので、しまいには感想を述べる言葉がなくなってしまいました。やはりおいしいワインっていうのは、香りと口の中に残る後味が違います。最初は無愛想だったおばちゃんも、何杯か試飲しながら質問したりするうち笑顔を見せてくれました。ワイン用語の事前勉強が多少は役に立ちました。
結局この農家では、2本を購入。15マルクと25マルク(700円と1200円)のワインを買いました。普段スーパーで買うワイン平均6マルク(300円)からすれば、贅沢なワインです。
その後、同じように他の農家をまわり、結局「ワイン狩り」は6本で終了。目標10本に届かなかった理由は、これ以上飲むと運転出来なくなるからです。
その後バーデンバーデンまで行き散策。カラカラ浴場と並んで有名なフリードリッヒ浴場のサウナで酔い覚ましと行きたいところでしたが、同行のTomomiさんにきっぱりと「いやです!」と断られました。そうなんです、この温泉は素っ裸&混浴なんです・・・・・・残念。
ではまたお便りします。
やーい。やーい。ざまあみろ。アウトバーンをドライブして、うまい地酒のワインを味わった後で、独身女性と混浴だと? そんなことしたらタダでは日本に帰れないぜ。ははは・・・でも、いいな、それでも。ぼくもドイツ行きた〜い。
明日から福島へ出かけるので、次回更新は5日(日)です。
11月3日(金)「家族へ本を届けるために福島へ・・・の風さん」
いったん自宅へ帰ることなく、会社からそのまま新幹線を乗り継いで福島へ行った。本だけでなく、土産物もあって結構重かった。
私の両親と兄夫婦は現在福島県に住んでいる。兄は35年ぐらい住んでいるし、両親も15年ぐらいになるのではないだろうか。この間、冒険作家クラブのパーティで風野真知雄さん(私の翌年に歴史文学賞を受賞された小説家)と話していたら、そこは風野さんの実家のある所だった。
前作もそうだったが、血のつながった家族というのは案外冷たいもので、やっとできた本を持っていっても、「おめでとう!」なんて言って大喜びはしてくれない。まして、お祝いに何かくれるなんてこともない。せいぜい(いつものことだが)食事をおごってくれるぐらい。拍子抜けだが、そこはそれ、やはり家族なので、「どうだ。すごいだろう?」と押し売りのように、自ら持参して見せつけるわけだ。
両親の家に着いて、先ずオフクロへ渡し、続いて親父の部屋へ行き、親父に渡した。後ろから付いてきたオフクロが言った。「あなた。明日の病院、どうやって行くの?」「朝早く起きて、バスで行くさ」「私は送ってなんかあげないからね」「だから、バスで行くって言ってるじゃないか!」・・・。
ぼくが書く小説ではこんな展開じゃないよ。「あなた。**(私の本名)が本を出したんですって」「ああ。今受け取ったよ。結構立派な本じゃないか」「すごいですよねえ」「会社の仕事しながらよく書くよなあ」「**。体こわすんじゃないよ」・・・むむ。これではリアリティが全くないか・・・やはり上の現実の会話の方が本物かなあ。しかし、高い電車賃かけてやって来たんだけどなあ。
11月4日(土)「算聖伝を書店で発見・・・の風さん」
昨日の話。会社の昼休み時間に、ワイフからケータイに電話があった。それによると、新聞記事で『算聖伝』を知った人から、ぜひ読みたいので送って欲しいとのことだった。その新聞記事には私の住所が書いてあったとかで、調べて何とかたどり着いたとのことだった。さっそく、会社から電話していろいろ話した結果、先方は電子メールが通じ、本もネットで注文できるとのことだったので、『算聖伝』の紹介文などをメールで送ってさしあげた。
インターネットなら容易に注文できる私の本も、現実の書店で入手しようとなると、どの書店にもあるわけではないので、結構みなさん苦労する。大変申し訳ない。
福島の両親の家に滞在している時も、ときどき書店をのぞいてみたりするのだが、今まで自分の本にお目にかかったことがない。あまり期待はできないが、せっかく新刊として出たばかりなので、念のためにオフクロと書店調査に出かけた。事前に大きな書店の所在を電話帳で確認しておいたのは言うまでもない。
運よく3軒目で発見した。岩瀬書店富久山店さんである。思わずさん付けになってしまう。『算聖伝』は今週の新刊書コーナーに平積みであった。さらに『円周率を計算した男』までが歴史小説コーナーの棚にあった!私自身はもちろんうれしかったが、素直に驚けないオフクロも感心してうなった。それを見た私は、この驚きと感動を親父にも、と胸の中でたくらんだ。
夜、兄貴夫婦が来て一緒に食事した。ビールを飲みながら『算聖伝』を見せ、目の前でサインして渡した。少し酔っ払って、出版までの経緯を講釈した。と、ところが、である。話の途中で、兄貴が「**(私の名前)。今回は何しに来たの?」って、おいおい、冗談じゃないぜ。「本が出たから持って来たんじゃないか!」「あ。そうか・・・」何が、あ、そうか、だよ!もう!・・・というわけで、おめでとうの一言もなし。
11月5日(日)「書店で営業活動の初体験・・・の風さん」
鈴木 輝一郎さんの真似しちゃった。
親父とオフクロを車に乗せて、岩瀬書店(http://www.iwasebooks.co.jp/)富久山店へ出かけた。親父に息子の本が確かに書店に並んでいるのを見せている間に、私は『算聖伝』を1冊持ってレジへ行き、代金を払ってから、やおら鳴海風の名刺を見せて「店長さんにお目にかかりたいのですが・・・」と言った。店長はすぐ近くにいて、「この本の著者ですが、置いていただいてありがとうございます。お礼にサインして差し上げたいのですが、受け取っていただけますか」と申し上げた(輝一郎さんがやっているのをホームページで読んで知っていたので、一度言ってみたかったんだよね)。店長はとても快く承知してくださって、その後しばらく雑談をした。私が、両親と兄夫婦が近くに住んでいる旨話すと、親しみを覚えてくださったようだ。「なかなか爆発的には売れない本ですが・・・」という打ち明け話に対しても「新人物往来社はなかなかこだわりの本を出す出版社としてよく承知していますし、一時的に売れる本よりも、こういうターゲットが明確な特殊ジャンルの本の方が手堅いと思いますよ」とおっしゃってくれた。「来年中に次の作品を出すつもりですから、末長くよろしくお願いします」「いえいえ。こちらこそ、よろしく」とお互いにぺこぺこ頭を下げ合って別れた。(初体験で緊張して、ただでさえ下手くそなサインがよけい下手くそになってしまった。店長さん。ごめんなさい)
その後、3人で昼食を食べてから別れ、私はやまびこに乗り込んで家路に着いた。車中、今度東京へ行ったら、もっと宣伝活動をやろうと心に決めた。
読みかけの文庫本を3冊持って福島へ行ったが、車中、居眠りしていることもあり、2冊が読み終わっただけ。これでは、前途は多難だなあ。
11月6日(月)「眠くて気が遠くなる〜・・・の風さん」
昨夜は手紙を書いたりしていて、就寝は2時。それで、今朝は6時起きだったので、眠い眠い。
たまっていた仕事を寝ぼけ頭でこなして(こなせたか?)、早夕方になってしまった(と書きながら、実は昼休みにケータイで出版社に電話したりしていた。これは重要な用件だった。評論家のI氏の奥様の病状を聞き込んで欲しいと、編集長へお願いしたのである。また、わずかな時間を利用して拙著の社内販売にいそしんだりしていた・・・これは悪いヤツとそしられかねない)。それにしても昼食後は眠かった。気が遠くなり倒れそうだった。
帰宅時に中古車屋へ寄り、社長に『算聖伝』10冊を買ってもらった。社長は、「全部売ってみせますよ」と完売する意気込みである。実は前作『円周率を計算した男』も社長は書店で10冊購入し、それらを店でさばいてくれたのだ。私が著名な作家なら堂々と売れるんだけどなあ。無名作家では、いつも恐縮してしまう。
帰宅したら、今日も手紙と葉書が届いていた。実は、毎日のように、本を送った知人、友人から反応の手紙や葉書、電子メール、電話がある。いちいちここに書いていられないくらい多い(当たり前だ。たくさんタダで配っているのだから)。お世辞もあろうが、反応はおおむね良好で、というか、『円周率を計算した男』のときよりも上回っている。作者としては信じられない気がする。そりゃ、確かに書いているときは「どんどん良くなっている」と手応えを感じながら書いていたけれども、結局完成度はまだまだという気がしていた。それでも、「一気に読めたよ」と言われると、とてもうれしい。とにかく今後出てくるであろう、評論家の客観的な書評が楽しみである。
さあ。今夜も、まだまだやることがあるぞ。
11月7日(火)「諸事多端すべて火の車・・・の風さん」
やることが多すぎる、のひと言に尽きる。
夕べはHPを更新してから、葉書を書いて、『算聖伝』を読み直して(重版時に修正するための間違い探し)、少しウトウトしていたら(その間にワイフが寝てしまい)もう1時を回っていた。それから入浴して、また少し読んで・・・。
はい。皆様の予想通り、寝坊しましたよ、サラリーマンなのに。遅刻ですよ。ふん。それがどうしたって言うんだよ。どうせ、あたしゃ怠け者ですよーだ。
午後、某研究所へコルサで出張した。親父のコルサをもらい受けて、もう1000km以上走ったな。防振性と遮音性が悪いのが欠点だが、ぜいたくは言ってられない。今日は初めて中古ステレオでカセットテープを聴いてみた。すると、なんと左側のスピーカから音が出ていないことに気が付いた。直しに行かねばならない。
仕事を終えて外へ出ると真っ暗。6時半でこの暗さということは、もう秋もだいぶ深まったということだ。早く次の準備を始めねばならないのに、やることが多すぎる。研究所近くのカーショップに寄って、時計を買った。何せ時計もついていないコルサなので、実用面で困る、不便なのである。ELバックライト付きのやつを買ってしまった。2480円とぜいたくをしてしまったわい。
帰宅してから、明後日サイドボードが運び込まれるので、バタバタとリビングの片付けをした。コンセントを外そうと、お払い箱にするサイドボードをぐいと動かしたら、裏側にカリカリに乾燥したゴキの死骸があった。丸々と肥えた奴だった。一体死因は何だろう? ゴキジェットでやっつけた奴はすべて回収しているから、これはアースレッドの煙によるものか。
さあ。ゴキのことは忘れて、今からまた手紙やら何やら色々あるぞ。
あ、そうだ。ぺのぺの日記の月川さん、ぼくの本が書店に入るのを待っておられるようだが、今の時点で入ってなければ、その書店には入らないと思いますよ。やはり、その地区で最大規模の書店を覗いてみるか、ネット注文をしてください。
11月8日(水)「因縁の対決3で敗北・・・の風さん」
夕べは、あれから手紙を書いたり、『算聖伝』の読み返しをしたり、あれこれ片付けものをしているうちに、就寝は2時半となってしまった。
・・・で、今朝も寝坊しましたよ。開き直って、会社へ電話して、午前中を休みにしちゃいました。ふん。どうせ、あたしゃあ、役に立たないサラリーマンですよーだ。遅い朝食をとっている時に、N夫人から電話があった。ワイフへの電話だったのだが、N夫人は、昔の職場仲間で、久々の会話ということもあり、13分間も話してしまった。執筆やホームページの馬鹿さ加減に花が咲いたのだが、電話を切ってから、ワイフへの用件を聞き忘れ、N夫人も話さなかったことに気が付いた。
定時後、仲間と3人でボウリングに行った。話せば長い話だが、これは男と男の勝負である。決して遊びに行ったりストレス解消に行ったわけではない。自分の人生と人格をかけて、名誉のためにする戦いである。3人でしている勝負だが、相手は「ボウラーしみず」で、これまで1勝1敗のタイで、今回が決勝戦であった。
そもそも大学時代に大学を代表する選手としてリーグ戦に出場していた私が、素人なんかに負けるはずがない・・・のに、前回負けてしまったのである。それで、今回はリベンジということで、私は因縁の対決3と銘打っていた。
ところが、結果は、3ゲームトータルで、461対492ということで、完敗。2週間後に因縁の対決4をする約束をした。くそ。
注記)今日から日記のフォントをワンランク大きくしてみます。
11月9日(木)「来たぞ、32インチ・フラット・ワイド・テレビの巻」
昨夜の対決の後遺症で、握力がないし腕の筋肉が痛い。勝負に負けた悔しさがよみがえる。
親父のコルサが快調なので、出張に行くのも億劫でない。午後、運転を開始したら、FMから流れてきたクラシックの心地よさもあってか、小説の構想が浮かんできた。今まで何度か浮かんだ構想なのだが、『算聖伝』のような固い話ではないので、深く考えたことはなかった。今日は興にまかせてあれこれ考えてみたが、恋物語を考えているうちに、自分自身に起きないかという妄想が働き出して(これは不倫の想像ですね)、もう止まらなくなった。やはり、こういう不届きな空想というのは楽しいものだ。おお、神様、どうか私に紀香さんみたいな恋人を!(ワイフは私のホームページを読んでいないので何でも書ける)
帰宅後、待望の(いや苦節10年の)大型テレビをセットした。32インチ・フラット・ワイド・テレビである。私はほとんどテレビを見ない人なのだが(時間がないので)、たまにビデオを借りてきて鑑賞する。そういうときに大型画面で見たかった。それにPS2のリッジレーサーなんかを、迫力画面でやってみたかったのだ。ふふふ。楽しみじゃ。
11月10日(金)「海と月の集い・・・の巻」
昨夜就寝前に不吉なくしゃみが出た。そろそろ季節なのにこれまで発症しないでいた花粉症の兆候だった。それで、かねて用意の小青龍湯を飲んで寝た。
その小青龍湯の効果で、今朝は鼻が乾いた状態で目覚めることができた。
今夜と明日、イベントがあるので、午後を休みとして退社した。ところが、このあたりから、鼻がぐずぐずしだして、きわめて不快な気分になってきた。先ず、明日のイベントのために、途中でビンゴカードと外れの景品(すべて百円ショップ)を購入した。くしゃみが何度も出て、落ち着いてショッピングできなかった。次に、図書館に寄って、明日が期限になっている本の延長手続きをした。ここで、もう我慢できず、携帯している電話・・・じゃなくって、抗ヒスタミン剤を飲んだ。
帰宅しても調子が悪く、薬が効いてくるまで、しばらくソファで横になった。
ようやく回復したので、今夜のお楽しみ「海と月の集い」へ電車で出かけた。
「海と月の集い」というのは、海の見えるレストランで夜空の月を愛でる会のことではない。深見さんという方が、地元で活躍している作家を集めた食事会をセットしてくれた。その出席者の名前が、海と月に関係していたのである。秋月達郎さんと@@さんと私鳴海風の3人である。名前の中に海と月がある。
場所は五島列島の魚を素材にした料理を出す「咲椋(さくら)」である。
秋月さんと私は比較的近所でありながら、これまでネット上でのお付き合いで、今夜が初対面。@@さんとは全くの初対面であった。ちなみに@@さんは、2年前にオール読物の推理小説新人賞を獲られてデビューしたミステリー作家である。私と経歴がやや似ていて、地元のカルチャーセンターや東京の小説教室で勉強しながらプロになったところが最もそっくりである。違うのは、私よりもはるかに行動的で積極的で、既に作家として立派に活動しておられることだ。それから、セクハラ発言になるかもしれないけれど、@@さんという方、とても美人である。才人で美人となると、どういう印象かは、多くの方は想像できると思う。
秋月さんは地元出身で、東京におられたのが、今年Uターンをしたことにより、こういう出会いとなった。秋月さんと@@さんは既に知己の間柄で、まるで夫婦漫才のように(失礼)次から次へと話題が出てきて(ローカルなものがほとんどだったが)果てしなく会話が続き、口をはさむのがなかなか至難の業であった。この場をセットしてくださった深見ご夫妻も同伴されていたのだが、私以上に口をはさむのが困難な様子であった。ところで、深見夫人と私は秋田県で暮らしていた(残念ながら一緒ではないが)という共通点がある。深見夫人のファンである私は、ここ数年まったくお目にかかっていなかったので、久しぶりに会えてうれしかった。
6時半に始まった集いがお開きになったのは、なんと10時半近かった。あっという間の4時間で、我ながらこんな飲み会(時間の経過が早い)は初体験であった。
秋月さんと@@さんは2次会へ行ったようだが、明日のイベントも控えている私は、今夜は失礼して電車で帰宅した。
「海と月の集い」は、またあるのだろうか。
11月11日(土)「久々のバーベキュー・・・の巻」
たまに会社の友人らを拙宅に招いて、庭でバーベキューをすることがある。ところが、ここ2年ばかり、私が多忙過ぎてできないでいた。
ちょうど出版直後ということもあり、寒くなってはきたが、思い切って決行した。招待したのは大人10人と子供6人で、うちの家族も含めて21人のバーベキューであった。それぞれ事情があるので、午後2時以降好きな時間に来て、好きな時間に帰っていいことにしてある。
起床してからメールチェックすると、先日13分間も電話で話したN夫人からうれしいメールが来ていた。タイトルは「図書館」である(万が一のことを考えて、固有名詞は私が伏せ字にしました)。
こんにちは!! **(鳴海注:N夫人の名前)です。
先日は、久しぶりにお話できて、楽しかったです。
今日は、&&市の本館の図書館へ出かけました。
目的は、算聖伝を注文すること。
&&市は、人口7万弱の割には、図書館が充実していてMAINの本館の他に、2つの分館があります。分館と言えども馬鹿にはできず、雑誌類も多く、私はすごく気に入っています。
希望の本がないときは、リクエスト用紙に記入すれば、購入してもらえます。(100%かどうかはしりませんが殆どO.K)
出版されて間もないし、リクエスト用紙に記入するつもりで意気込んでいた私に2冊ありますが、本館は貸し出し中なので、分館に確認します。 という返答。
驚いて無言になっているうちに、さっさと電話してくださり、あまりの行動の早さに、もう、持っていますから、、とは言えなかった小心者の私は、その後分館へ直行しました。
今、だから2冊あるんです。
リクエストで購入された訳ではないとのことでした。
すでに、棚に並んでいたことにも、分館にもあったことにも、もう借りている人がいることにも驚きました。(名古屋の大きい本屋さんしかないと聞いていたので、、、)
ついでに、円周率を計算した男も確認したら、本館、分館両方ありました。
図書館のかたはとても親切で、私が分館で算聖伝を受け取ろうとしたら、こちらはよろしかったですか? と、円周率、、、も用意して渡してくれそうになったので、勇気をだして、あっ、それは持っていますので。と、今度は言えました。
&&の図書館、なかなかでしょ?
暇があったら、一度立ち寄ってみてください。
ご案内します。
というわけで、風さんのおかげでおもしろい1日になりました。
でも、家族は算聖伝が2冊あることに驚くだろうな、、、
いやあ、とんだお手数をおかけしました。でも、うれしかったです。そして、&&市の図書館にも感謝感謝・・・です。だって、私の勤務先のある市の図書館にはありませんし、住んでいるところはもちろん、よく利用している(昨日本を返しに行った)図書館にもないのですから。そして、&&図書館でN夫人とデートというのも魅力だなあ。
さて、話をバーベキューに戻そう。
先ず、午前中に魚市場まで買い出しに出かけ、エビ、イカ、大アサリ、サザエ、フグなどを仕入れてきた。続いて、スーパーに寄って、各種ドリンク類を購入した。私はこういう準備をするのが好きだ。風は強かったが、晴天で海の青さも深く、海岸沿いのドライブは気持ち良かった。
2時過ぎからぽつぽつと集まり始め、3時半ころには炭に火がつき、飲んだり食べたり、ゲームをしたり(32インチ・フラット・ワイドテレビが活躍)、にぎやかにバーベキューが進んだ。土産持参の友人もいて、随分と気を遣わせてしまった。(その途中で、某出版社の文庫担当者から電話があり、来週お会いする約束をした)今回集まってくれた友人らの中には、身重の夫人を同伴している者や、初めてうちへ夫人を連れてきてくれた者もおり、招待した私としては、快く来てくれたことがうれしかった(なぜかというと、基本的に会社内の付き合いなのだが、こういうプライベートなイベントに参加することは、私なら簡単にはできないことだからだ)。
今回のバーベキューの目玉は、PS2とワイフのアトリエ見学、そして友人の夫人を書斎へ案内したことだ。この夫人は、実を言うと、『算聖伝』のアプリルのモデルである。もちろんオランダ人ではない。彼女の雰囲気や風貌をお借りしたのだ。夫である友人の望み通り、拙著に「アプリルのモデル**さんへ」と書かせてもらっている。書斎では、「今回の算聖伝は、物語としてとても読みやすい」と言ってくれたし、「子供が通っている幼稚園のPTA文庫に入れてもらうように働きかけています」とも言ってくれた。話すことはいっぱいあったが、途中から二人きりになってしまったので、参考文献や書評類を少し紹介して、書斎を出た(ゆっくり話したかったなあ・・・ドキドキ)。
8時前からビンゴゲームを開始して、それぞれ景品をゲットしてもらった。今回はリサイクルを兼ねて、C社のコピー機(少し難のあるもの)やビデオ、書籍(失楽園上下)ももらっていただいた。(あ、そうそう。ビデオデッキで映画を観ようとしたら音が出ない。どうやらビデオデッキが壊れたらしい)ビンゴが終わってからも、リッジレーサーをやって、完全にお開きになったのは、10時半近かった。参加してくれた皆さん、ありがとう。
11月12日(日)「宴の後も忙しい・・・の風さん」
イベントを連続してこなして、さあ、そろそろ落ち着いて執筆か、と思いきや、なかなか問屋は卸してくれない。
寝坊することなく7時半に起きた。家族は誰も起きてこない。夕べは満月で、双眼鏡で鑑賞した月面が冷たく輝いていた。外は風がおさまっていたけれど、寒かったので石油ファンヒーターにスイッチを入れた。今朝の中日新聞を開いたら、文芸欄の新刊のところに『算聖伝』が出ていた。そろそろメディアに登場し始めたか。早く書評が出て欲しい。
エッセイの準備のために注文してある本が入ってないか確認する目的もあって、コルサで外出した。実は、ガス欠寸前でもあった。満タンにしたら、燃費は13.5km/Lだった。よく走ってくれたので、自動洗車し、タイヤ圧も調整してやった。残念ながら、本は入荷していなかった。
いったん帰宅して、昼食後、眠かったけれど、もう一度外出した。先ず、近所の鳴海さんのお宅へうかがった。奥様が玄関に出てこられた。先日の電話やときどきある宅配、郵便物の間違いなどについて謝罪しつつ、「実は、私はこういうものを書いています」と『算聖伝』を差し上げた。そうしたら、「うちの主人は歴史小説が好きですよ」とのことで、こっちはほっと胸をなでおろしたのであった。
続いて、近くのS美術館のS画伯に『算聖伝』を謹呈しに行った。前作と同様に便せんにメモを書いて、名刺と共に置いて帰った。S画伯は今年95歳のはずである。その桁外れの創作意欲に私は圧倒され、自由な作風とともに、日頃から敬意をいだいている。私の作品にはあまり関心はないようだが、偉大な画家の近くにいながら挨拶しないというのは、非常識だと思い、献本している。しかし、いつか画伯に一度でいいから本の装丁をしていただきたいものだ。
その後、壇家になる予定の近所のお寺に回った。同じく『算聖伝』を献本するためである。お寺は曹洞宗で、うちの父方の宗旨と同じである。既に墓地を確保してある。住職は理工系の大学を出てサラリーマンをしていたらしいが、成り行き上やむを得ず、寺を継いだとのことだ。住職はおらず、奥様に本を渡そうとすると、渡す前から2年前の『円周率を計算した男』をもらったお礼の言葉が出てきて、何とも驚くやら恐縮するやら、いずれにしても私のことはよく記憶されていたようだ。さっそく『算聖伝』を贈ると、とてもうれしそうで、お返しに柿と蜜柑をたくさんいただいた。
帰宅して昼寝して、目が覚めたら、もう外は暗かった。
11月13日(月)「移動しているだけでは売り上げにならないって・・・の風さん」
実は、一昨日、新人物往来社から宅配便で3箱の本が送られてきた。全く同じ大きさの箱ではないが、2週間前に送ってもらった『算聖伝』100冊が入るくらいの大きさである。とにかく開封せず、そのままにしておいて、今日、電話で編集長に確認することにしていた。それで、昼休みに電話してみると、「前の発送が済みになっていなくて、2度送ってしまったようですね。と言うことは、会社にも届くのではありませんか」・・・はたして、会社にも午後、宅配便で50冊入っているらしい箱が届いた。再び編集長に電話して、着払いで返送することに決め、会社分はすぐ処置した。
ちぇっ。東と西を移動しているだけでは売り上げにならないぜ。
一方、著者である私は、今日も売り込みに精を出し、『算聖伝』3冊販売、11冊予約、2冊献本、『円周率を計算した男』1冊販売した。
会社のオフィスは7階にある。隣の建物とも廊下でつながっているのだが、そこを歩いていたら、左の壁ぎわ、床の上に、季節外れの(?)ゴキが、仰向けになって死んでいた。ひだのある腹を見せた、やや赤味がかった成虫である。どこで生まれて、大きくなって、どこをどう通って、ここまできたのか。なぜ死ぬことになったのか、知る由もないが、これから一体誰によって片付けられるのだろうか。社内で掃除の小母さんを見なくなって久しい。おぞましいゴキではあるが、寂しい行く末を想像するとそく隠の情を覚えてしまう。
11月14日(火)「明日の準備で忙しい風さんの巻」
8時からの会議に少し遅刻してしまった。コルサの走りっぷりに期待し過ぎたか。
やはり昨日の場所に昨日の姿勢のまま、赤茶色のゴキがひっくり返っていた。おー怖い。だから、会社には来たくない(というのは理由にならないか)。
明日の準備のために定時でさっさと退社した。
メールチェックすると、Yasu&Mikiさんから、うれしい「目撃情報」が・・・。