鳴海風(なるみふう)
+原嶋茂(はらしましげる)の本
(単著のみです)


絶版本は図書館か古本屋で手に入れてください。


『和算の道をひらけ!』
(あかね書房 2022年12月出版)

和算発展のきっかけを作った吉田光由(みつよし)の
『塵劫記(じんこうき)』誕生物語
出版そのものが珍しかった江戸時代初期、角倉一族の吉田光由は
どうして『塵劫記』の出版を思い立ったのか。
今も北嵯峨に水を流す菖蒲谷隧道(しょうぶだにずいどう)工事をモチーフに
吉田光由の壮大な人生の骨格部分を描いた。




『鬼女(おにおんな)
(早川書房 2022年9月出版)
幕末の会津若松を舞台にした、武家の母と息子の葛藤。
鳴海風の作家人生の中で、いつかは小説にしなければならなかった題材を元にしました。
執筆に5年かけました。


早川書房から出していただきました。


『遊歴算家・山口和「奥の細道」をゆく』
(ちくま学芸文庫 2022年9月出版)

日本数学協会の『数学文化』に7年間連載した短編集です。
高山ケンタさんの挿し絵、著者作成の地図など資料も豊富です。


筑摩書房から出していただきました。



『この空のずっとずっと向こう』
(ポプラ社 2022年1月出版)


明治四年(一八七一)、日本最初の女子留学生の一人をモデルにした歴史小説です。


『エレキテルの謎を解け 電気を発見した技術者 平賀源内』
(岩崎書店 2021年11月出版)


鳴海風らしさが存分に発揮された児童書。
きわめて多彩な人物のため、あまり小説の主人公に取り上げられたことがない。エレキテルの復元とその原理の追究を軸に、源内という人間の本質を描いた作品である。


『變化點管理』
(方言文化出版事業有限公司 2018年10月出版)


『トヨタ流品質管理に学ぶ! はじめての変化点管理』の忠実な台湾翻訳版です。


『トヨタ流品質管理に学ぶ! はじめての変化点管理』
(日刊工業新聞社 2017年11月出版)


本名で出す単著の2冊目である。これは品質管理の本だが、その中の変化点管理にフォーカスした本は業界初らしい。変更管理は意図した変化(新製品や工程変更)に対するもので、変化点管理は意図しない変化に対する品質管理である。つまり、意図しない変化をどのように発見し、発見したらどのように対応し、そして再発防止をどうするかという手法である。生産技術者として社内、社外の生産現場を見てきて感心、感動した多くの知見を集大成した。


『咸臨丸にかけた夢』
(くもん出版 2017年10月
出版


『怒濤逆巻くも』の小野友五郎が、ついに児童文学作品に!
前作に書かれていない少年期の友五郎の活躍ぶりが心に残る。



『ひらけ蘭学のとびら』
(岩崎書店 2017年5月
出版


杉田玄白と前野良沢、中川淳庵、桂川甫周によるオランダ語の解剖書『ターヘルアナトミア』を翻訳して『解体新書』を出版した物語である。一般によく知られているのは、『蘭学事始』に書かれている話ではないだろうか。この本では、杉田玄白が子どもの頃からのさまざまなエピソードを書くことで、医者としての使命感をもつにいたった経緯と、『解体新書』出版へかけた熱い想いを書いた。現代人が翻訳とひと言で片付けられない大変な苦労や苦心があったことを子どもたちへ伝えたかった。また、物語に彩と深みを添えるため、平賀源内や『解体新書』の挿絵を描いた秋田の侍小田野直武、版元の須原屋市兵衛といった名前もしっかり残している。



『円周率の謎を追う 江戸の天才数学者関孝和の朝鮮』
(くもん出版 2016年11月出版)


関孝和を主人公にした初めての児童文学である。関孝和の数学の業績は、当時において世界トップレベルであり、現代数学で説明するにしても子どもたちにはむずかし過ぎる。一方、関孝和の数学者としての生涯は謎に包まれていて、今でも多くの数学者がその解明に取り組んでいることから、本書では、円周率に絞ってその生涯を、伝説やフィクション、仮説を駆使して物語として構成した。さらに、関孝和の私生活に関しては、きわめてまじめな甲府藩士であり幕府の侍であったことを強調することで、関孝和を飛び抜けた天才としてだけでなく、一人の人間として、その成長を描くことで子どもたちへのメッセージとした。


『和算の侍』
(新潮文庫 2016年10月出版)

絶版になった『円周率を計算した男』の復刊ではなく、新装版として新潮文庫から出版された。タイトルが『和算の侍』と変わっていることからも想像できるだろうが、短編「円周率を計算した男」も見直した。もともと新人賞狙いだったため技巧的な書き出しになっていた。それを、他の作品と調和がとれるように、時代小説らしい読後感のある作品に、書き直したのである。また、書き下ろしの短編と入れ替えることにより、和算の特徴や主な和算家で構成されているといった印象が残るように工夫した。表紙カバーの絵は、瀬知エリカさんで、鳴海風とは初めてのコンビである。


『トコトンやさしいコンカレント・エンジニアリングの本』
(日刊工業新聞社 2015年11月出版)


本名の原嶋茂で出した最初の本である。デンソーでの34年間の技術者人生の卒論のようなもの。諸先輩や上司、同僚、部下らと過ごした熱い年月の一部がこの本に集約されている。そして、日本の重要な競争力の一つであるCEを、グローバル時代の今こそ再認識してほしいという思いで執筆した。


『星に惹かれた男たち』(日本評論社 2014年12月出版)

農山漁村文化協会の『技術教室』に連載していた原稿をまとめたノンフィクション。江戸の天文暦学研究とその周辺に、いかに多彩な人たちが活発に活動していたかを解説している。
表紙の絵は、星襄一氏の版画「銀河狂想」から。装丁は中島かほる氏。


新潮選書『江戸の天才数学者 −世界を驚かせた和算家たち−』

和算文化発展に貢献した8人
江戸時代のベストセラー『塵劫記』の著者 吉田光由
貞享の改暦を成功させた幕府お抱え碁師 渋川春海
西洋よりも早くベルヌーイ数・行列式を発見した算聖 関孝和
世界で初めて円周率自乗の公式を発見した男 建部賢弘
関流に真っ向から数学論戦を挑んだ最上流の元祖 会田安明
久留米21万石の藩主にして数学者 有馬頼?
全国を旅して歩きながら数学を教えた男 山口 和
太平洋横断を成功させた咸臨丸航海長 小野友五郎




くもん出版『星空に魅せられた男 間重富』


寛政の改暦の貢献者の一人、大坂の質屋の主人で天文学者、
自分のことより他人に尽くした、間重富の生涯です。
初めての児童文学。挿画は高山ケンタさん、装丁は中島かほるさんです。



新人物文庫『怒濤逆巻くも』



徳川幕府側から見た史実にきわめて近い幕末史!
文庫化にあたって原稿に手を入れ、登場人物一覧をつけました。
解説は東善寺の村上泰賢師です。

表紙絵は鳴海風の次女が描きました。


新人物文庫『円周率を計算した男』


歴史文学賞、日本数学会出版賞受賞作の文庫化
文庫化にあたって原稿に手を入れたり、登場人物一覧をつけたりしました。
解説は上野健爾先生です。



岩波科学ライブラリー『和算小説のたのしみ』
3月14日(円周率の日)発行 鳴海風の新刊!
3刷発売中

初めての小説以外の本の出版です。
 和算小説の解説本ですが、関孝和の没後300年を意識した出版であり、鳴海風のこれまでの著作活動の節目としてまとめた意味もあります。
 特に、巻末の和算小説一覧表は、現時点の決定版であると自負しています。
 口絵に示している和算小説分類マップは、技術者という顔ももつ鳴海風ならではの整理です(ただし、独断と偏見)。
 著者が最も言いたかったことは、「はじめに」と「おわりに」を読んでいただければ理解されると思います。
 これが、鳴海にとって和算小説を書く意義なのです。
(岩波書店 1300円税別)


『美しき魔方陣』
(小学館刊)


江戸時代の天才数学者としては、もちろん算聖関孝和そして世界で初めて円周率自乗の公式を発見した建部賢弘が挙げられるが、3人目がこの小説の主人公久留島義太(くるしまよしひろ)である。数学上の多くの発見をしながら、自分では何一つ書き物にして残さなかったから、久留島ーオイラー関数を始めとして、彼の業績は弟子たちが伝えた。久留島義太は酒だけが人生といった生き方をした人物で、身なりはかまわず、浪人していたが仕官の望みもなかった。無欲だったのである。そして、彼の特筆すべき事跡は数学だけでなく、奇想天外な詰将棋の作品にも残っている。天才数学者の天才たるゆえんを、「美」に対する「感性」としてとらえようとしたのがこの作品である。物語は、これまでの鳴海風の作品にはなかったストーリー性の高いもので、数学にあまり興味のない読者も楽しめる趣向が凝らされている。
装丁は中島かほるさん、解説は磯貝勝太郎さんにお願いしました。

「東北大学生新聞」に掲載された書評はこちら



『ラランデの星』
(新人物往来社刊)


 
初めて西洋天文学を用いた寛政の改暦を成し遂げた、幕府天文方高橋至時(たかはしよしとき)は、宇宙の成り立ちや天体の運動原理そのものを知りたくて、浅草の司天台(天文台)で日夜観測を続けるかたわら、舶載されるわずかな専門書(オランダ語)を元に研究を続けていた。享和三年(1803)春、至時は、最新の西洋天文学を網羅した『ASTRONOMIA OF STERREKUNDE』と運命的な出会いをする。法外な値段で売りつけられてきたこの本を、至時は何としても手に入れたかった。
 高橋至時の長男作助は、成長するにつれ、天才天文学者である父に及ばない自分自身に気付き、何かにつけて至時に反発するようになっていた。学問には身が入らず、親に隠れて岡場所へ通い、さらに侍の身分を捨ててまで、父至時の弟子である伊能忠敬(いのうただたか)の娘お琴と所帯をもちたいと言う。
 自らの才能のなさに絶望し、父に反発する高橋作助(のちにシーボルト事件で獄死する高橋景保)が、『ASTRONOMIA OF STERREKUNDE』の入手に奔走し、命を縮めてまでそのオランダ語の翻訳に挑む父を助け、やがては完璧な天才天文学者と思い込んでいた父至時の人間像に気付くまでの物語。

 

秋田魁新報「北斗星」の紹介記事はここ


 ここをクリックすると『ラランデの星』書評一覧が見られます。現在16あります。

『怒涛逆巻くも』


(上巻)      (下巻)

幕末から明治維新にかけて、政治も文化も不連続はない。嘉永七年(一八五四)日米和親条約の締結で日本の鎖国は終焉した。開国したのである。それからの徳川幕府は列強に伍していくべく、外交と日本の近代化に徹底的に注力した。譜代笠間藩の貧乏藩士の四男として生まれた小野友五郎が、時代に翻弄されながらも、名誉も富みも求めずただ愚直な技術者として、日本の近代化のために活躍した姿を描く。幕末に燦然と輝く偉大な政治家小栗上野介や、技術者としても優れていたジョン万次郎なども登場し、幕末を徳川幕府側から描くことで、幕末史そのものを見直すことになる異色作!

産経新聞(2003/08/24)に書評が出ました。

以下の施設で視覚障害者のための録音テープが作成されました。

吹田市立図書館
蒲郡市社会福祉協議会
東京都港区立みなと図書館


 『和算忠臣蔵』
表紙の絵(名古屋能楽堂の鏡板に使用)と扉の題字は
故杉本健吉画伯です!
日本図書館協会選定図書に決定!



  日本人の多くが好きな忠臣蔵。この舞台となった時代に、円周率を計算した男がいた。武士道に生きた侍たちの青春群像と、一見アンマッチな数学の世界を描く、鳴海風ならではの異色忠臣蔵である。しかも、赤穂浪士の吉良邸討ち入りを陰で操る人物と、幕府天文方との暗闘をからめたミステリータッチの作品でもある。誰でも知っている忠臣蔵を、誰も知らない忠臣蔵に描こうという、鳴海風の意欲作!

 
ここをクリックすると『和算忠臣蔵』の書評一覧が見られます

 2002年1月12日(土)22:30〜
NHK BS−2 
週刊ブックレビュー510号
「おすすめの1冊」コーナーで
神田 紅さんが『和算忠臣蔵』を紹介してくれました。
書評は
ここに埋め込みました。


神田紅さんとの交友エッセイ「鳴海風とろける」(大衆文芸平成14年5・6月合併号より)

以下の施設で視覚障害者の方のための録音テープが作成されました。

旭川市中央図書館
蒲郡市社会福祉協議会


2刷発売中!



『算聖伝 関孝和の生涯』
(新人物往来社 2000円税別)



ハードカバー(四六版 404ページ)。今回の装丁も画家の西のぼるさんです。
西のぼるさんは、第32回講談社出版文化賞「さしえ賞」を受賞されました。
『円周率を計算した男』と共に、2006年日本数学会出版賞受賞対象作品です。

 関孝和は、関流数学の創始者で、鎖国時代にありながら、日本独自の数学を発達させた人物です。ニュートンと同時代に生きた人ですが、多くの数学的な業績の中には、西洋よりも早い発見があります。そのように偉大な関孝和ですが、彼の誕生年や誕生地には諸説あり、また数学を学んでいた頃のことがほとんど不明となっています。さらに、彼の関流数学は明治にいたるまで隆盛を誇ったにもかかわらず、武士であった関家は、彼の養子の代であっけなく断絶しており、子孫も残っていません。資料の少ない関孝和の人生を描いたのが、今回の長編小説です。恐らく、関孝和を主人公にした最初の小説だと思われます。 内容は、故平山諦先生、故中村正弘先生(推理作家の天城一氏と同一人物)、鈴木武雄先生のご研究を使わせていただき、キリシタンや伴天連(ばてれん)との関係、渋川春海の貞享暦 改暦事業とのかかわり、シドッチの来日と新井白石などが出てきます。中でも、オランダ人少女との出会いと恋、そしてその結末が読者の興味を引くのではないでしょうか。

 ここをクリックすると、『算聖伝』の書評一覧が見られます。ものすごい数の書評が出ました。21あります。

ここをクリックすると、涌井さん(現在:東農工大教授)の書評が読めます。

 ここをクリックすると、秋田のさおりさんの感想文が読めます。

以下の施設で視覚障害者の方のための録音テープ・デジタル図書などが作成されました。

浦和市立図書館
埼玉県立川越図書館
埼玉県立久喜図書館
蒲郡市社会福祉協議会
山口県点字図書館
東京都港区立みなと図書館

さいたま市立北浦和図書館


『円周率を計算した男』

 

  世界で初めて円周率自乗の公式を明らかにした、江戸中期の数学者建部賢弘(たけべかたひろ)の人生を描いた作品(第16回歴史文学賞受賞作)をはじめとする、実在の和算家たちの人間模様を描いた短編集です。作品は年代順に並べられていて、江戸初期から幕末までの和算の歴史をたどることができます(新人物往来社刊 1800円税別)。

  表題作は第16回歴史文学賞受賞作。
装丁は画家の西のぼるさんがしてくれました。
ついに
刷!

  ここをクリックすると、『円周率を計算した男』の書評一覧が見られます。

   ここをクリックすると、書評の例が読めます(原作より感動できる内容です)。

ここをクリックすると、『円周率を計算した男』に関する記事や話題のリストが見られます。


以下の施設で視覚障害者の方のための録音テープが作成されました。

蒲郡市社会福祉協議会



2003年11月、図書館向け大活字本(上下で6100円税別)が出版されました。
社会福祉法人 埼玉福祉会


日本点字図書館に蔵書(5冊)があります。

日本点字図書館
〒169-8586 新宿区高田馬場1-23-4 
03-3209-0241,Fax:3209-2431


他に
藤沢市点字図書館にもあります。


鳴海風の本は下記の書店で買いましょう!

八重洲ブックセンター(1Fと3Fの両方にあります)
三省堂JR名古屋高島屋店(052-566-8877)
ジュンク堂池袋本店(03-5956-6111)


 * 感想メール *
(すぐには返信できませんが、あしからず)
 (ウィルス対策のため、メールアドレスは一部が全角文字になっています。それらをすべて半角小文字にしてからご利用ください)